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会社法と内部統制について

2005年6月に成立した会社法では、大会社の取締役会に対して

取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」

を義務付けました。

そして、2006年2月7日には、会社法施行規則が公布され、
業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制として

  1. 取締役の職務の執行に係わる情報の保存及び管理に関する体制
  2. 損失の危険の管理に関する規定その他の体制
  3. 取締役の職務の執行が効果的に行われることを確保するための体制
  4. 使用人の業務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
  5. 当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

尚、財務報告の適正性を確保するための体制整備はコンプライアンス体制整備の一環であるが、証券取引法(日本版SOX法)で上場企業は一般のコンプライアンス体制確保とは別の対策を求められており、会社法での大企業もコンプライアンス体制の整備とは別に整備した方が適切であると言われています。

図解 会社法での内部統制について

コンプライアンス・リスク管理のための体制整備

<取締役会決議モデル例>
・・・(出典:「会社法・施行規則が定める内部統制」、中央経済社、後藤啓二著)

取締役会、監査役によるコンプライアンス、適切なリスク管理の確保のための監督・監視体制の整備のため、次の措置をとる。

  1. コンプライアンス、適切なリスク管理の確保等業務の適正化に必要な知識と経験を有し、会社から独立した社外取締役を選任する。
  2. 監査役による監査の実効性を確保するため、コンプライアンス、適切なリスク管理の確保等業務の適正化に必要な知識と経験を有し、取締役から独立した社外監査役を選任するとともに、監査役の監査環境の整備を図る。
  3. 重要な非通例的取引、重要な会計上の見積もり、会社と取締役との取引、子会社との取引等については、取締役会の決議を要するものとする。
  4. 代表取締役等は、コンプライアンス、適切なリスク管理体制確立のための取組みの状況(内部通報の状況を含む。)につき、3ヶ月に一度以上報告することとし、重大な不正事案等が発生した場合には直ちに取締役会に報告するものとする。

コンプライアンスを確立するための体制の整備のため、次の措置をとる。

  1. (グループ企業全体の)企業行動憲章を策定し、(グループ企業を含めた)社員全員への浸透を図る。
  2. 社長を委員長とし各取締役、監査役、(グループ企業の代表者)その他必要な人員を構成員とするコンプライアンス委員会を設置し、その事務局として社長直属のコンプライアンス担当部局を設置する。担当部局には各部門に対する指導権限を与える。
  3. 各部門(グループ企業を含む)にコンプライアンス責任担当者を配置する。
  4. 企業行動憲章を受けた倫理綱領、コンプライアンス・マニュアルを策定する。職務権限規定を見直し、特定の者に権限が集中しないよう内部牽制システムの確立を図る。
  5. 取締役、管理職、一般社員に対して、階層別に必要な研修を定期的に実施する。また、関連する法規の制定・改正、当社及び他社で重大な不祥事、事故が発生した場合等においては速やかに必要な研修を実施する。
  6. 公益通報者保護法の施行を受け、内部通報制度を整備し、社員に対してその周知を図る。
  7. 業務執行部門から独立した内部監査部門を設置し、各部門の業務プロセス等を監査し、不正の発見・防止とプロセスの改善に努める。
  8. 企業行動憲章等コンプライアンスに関する規程その他の取組み状況について、株主、投資家、社会に対して積極的に開示する。

リスク管理体制の整備のために次の措置をとる。

  1. (グループ企業全体の)リスク管理基本方針を策定し、(グループ企業を含めた)各部門に浸透を図る。
  2. 社長を委員長とし、各取締役、監査役、(グループ企業の代表者)その他必要な人員を構成員とするリスク管理委員会を設置し、その事務局として社長直属のリスク管理担当部局を設置する。担当部局には各部門に対する指導権限を与える。
  3. リスク管理基本方針を受け、各部門ごとにリスク管理規程を策定する。
  4. 取締役、管理職、一般社員に対して、階層別に必要な研修を定期的に実施する。また、関連する法規の制定・改正、当社及び他社で重大な不祥事、事故が発生した場合等においては速やかに必要な研修を実施する。
  5. リスクその他の重要情報の適時開示を果たすため、経営者に直ちに報告すべき重要情報の基準の策定、報告された情報が開示すべきものかどうかの判断基準となる開示基準の策定と判断機関となる「開示委員会」等必要な規程、体制を整備する。
  6. 大規模な事故、災害、不祥事等が発生した場合には、社長を委員長とし必要な人員で組織する危機対策本部を設置するなど危機対応のための規程、組織を整備する。

財務報告の適正性を確保するための体制整備

<取締役会決議モデル例>
・・・(出典:「会社法・施行規則が定める内部統制」、中央経済社、後藤啓二著)

取締役会、監査役による財務報告の適正性確保のための監督・監視体制の整備のため、次の措置をとる。

  1. 適正な財務報告作成の確保等業務の適正化に必要な知識と経験を有し、会社から独立した社外取締役を選任する。
  2. 監査役による監査の実効性を確保するため、適正な財務報告作成の確保等業務の適正化に必要な知識と経験を有し、取締役から独立した社外監査役を選任するとともに、監査役の監査環境の整備を図る。
  3. 重要な非通例的取引、重要な会計上の見積もり、会社と取締役との取引、子会社との取引等については、取締役会の決議を要するものとする。
  4. 代表取締役等は、適正な財務報告作成のための体制の整備に係る取組み状況について、3ヵ月に一度以上報告することとし、重大な不正事案等が発生した場合には直ちに取締役会に報告するものとする。

情報の保存及び管理に関する体制の整備

<取締役会決議モデル例>
・・・(出典:「会社法・施行規則が定める内部統制」、中央経済社、後藤啓二著)

  1. 取締役会、代表取締役は、それぞれ文書管理規則を定め、次の文書(電磁的記録を含む)について関連資料とともに10年間保管し、管理するものとする。
    1. 株主総会議事録
    2. 取締役会議事録
    3. 常務会議事録
    4. 計算書類
    5. 稟議書
    6. その他取締役会が決定する書類
  2. 代表取締役は、前項に掲げる文書以外の文書についても、その重要度に応じて、保管期間、管理方法等を文書管理規則で定めるもとのする。
  3. 代表取締役は、取締役、社員に対して、文書管理規則に従って文書の保存、管理を適正に行うよう指導するものとする。

取締役の職務の執行の効率性を確保するための体制の整備

<取締役会決議モデル例>
・・・(出典:「会社法・施行規則が定める内部統制」、中央経済社、後藤啓二著)

取締役会(又は代表取締役)は、取締役の職務の効率性を確保するために取締役の合理的な職務分掌、チェック機能を備えた権限規程等を定めるとともに、合理的な経営方針の策定、全社的な重要事項について検討・決定する経営会議等の有効な活用、各部門間の有効な連携の確保のための制度の整備・運用、取締役に対する必要かつ効果的な研修の実施等を行う。

企業集団における内部統制の体制整備

<取締役会決議モデル例>
・・・(出典:「会社法・施行規則が定める内部統制」、中央経済社、後藤啓二著)

業務の適正を確保するための体制の整備を図るグループ会社(以下「グループ会社」という。)は次のとおりとする。

(略)

企業集団全体の業務の適正を確保するために次の措置をとる。

  1. 自社とグループ会社を含めた企業集団全体の企業グループ行動憲章を策定し、グループ企業を含めた社員全員への浸透を図る。
  2. 社員を委員長とし、各取締役、監査役、グループ企業の代表者その他必要な人員を構成員とするコンプライアンス委員会、リスク管理委員会を設置し、その事務局として社長直属の担当部局を設置する。担当部局には各部門に対する指導権限を与える。
  3. 企業グループ行動憲章を受け、自社とグループ会社を対象とした倫理綱領、リスク管理基本方針、コンプライアンス・マニュアル、リスク管理規程、職務権限規定、文書管理規則、顧客情報管理規則その他の業務の適正化のための規程の策定、内部牽制システム等の整備を行う。
  4. 自社とグループ会社を含めた適正な財務報告作成のため、グループ間取引の適正を図るための必要な措置をとる。
  5. 自社とグループ会社の取締役、管理職、一般社員に対して、階層別に必要な研修を定期的に実施する。また、関連する法規の制定・改正、当社及び他社で重大な不祥事、事故が発生した場合等においては速やかに必要な研修を実施する。
  6. 公益通報者保護法の施行を受け、自社とグループ会社共通の内部通報制度を整備し、社員に対してその周知を図る。
  7. 業務執行部門から独立した内部監査部門を設置し、各部門の業務プロセス等を監査し、不正の発見・防止とプロセスの改善に努める。
  8. 自社とグループ会社コンプライアンスその他の業務の適正化に向けた取組み状況について、株主、投資家に対して積極的に開示する。
  9. 適時開示を果たすため、自社とグループ会社を対象として、経営者に直ちに報告すべき重要情報の基準の策定、報告された情報が開示すべきものかどうかの判断基準となる開示基準の策定と判断機関となる「開示委員会」等必要な規程、体制を整備する。
  10. グループ会社独自の業務の適正化のための体制の整備について、必要な助言、支援を行う。また、グループ会社で大規模な事故、災害、不祥事等が発生した場合には、グループ会社からの要請を受け、危機対応のための助言、支援を行う。
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